人生ゲームオンライン

私が小学生から中学生になった頃、当時流行っていた見下ろし型の2DMMOにのめり込んでおり、ネットゲームと現実にかける時間が7:3くらいの割合になっていた。その頃から口癖になった言葉は「クソゲー」、この口癖は大学生になるまで日常的に独り言として繰り返すようになり、長時間のゲームで疲れた時に口にしていた。決して、面白くないゲームをやり続けたことがこの口癖を生む要因になったわけではない。テイルズウィーバーラグナロクオンライン、その他多くのネットゲームは私に多くの快楽と物語を与えてくれた。素晴らしい経験ができたゲームばかりで、現実の出来事と同じくらい良い思い出にもなっている。仮に人生をもう一度やり直せたとしても今世同様繰り返しプレイしているだろう。

 

もちろん本当にクソみたいなゲームにも使っていたが、主に「クソゲー」と発するときはゲームから現実に引き戻されたときだった。

(本当のクソゲーのURLを記載しておく。私がこのゲームにショックを受けて5日間寝込んだことを知っている人もいるだろう。)

store.steampowered.com

 

現実に引き戻される時は決まって長時間のゲームで体と精神が疲れている時だった。「何でこんなゲームしてるんだろう」「これをして何が残ったんだろう」といった現実と向き合う感情が全面に出てきて、ゲームの快楽を消し去り麻痺していた心が浮き出てくる。

 

具体的な事例を出すとラグナロクオンラインの牛乳商人の前に行ったときだ。

ro 牛乳商人

牛乳商人

ラグナロクオンラインのプレイヤーではない人向けに簡単に説明する。

複数人のパーティーで狩りしたときは、こいつの前で未鑑定品を鑑定してドロップ品を精算するのだ。(ラグナロクオンラインにはマーチャントという職業がいて、鑑定をしたりNPCに高額でアイテムを売ることができるのでそのキャラクターが行う。)

倉庫と露天へのアクセスが良いので基本的にはここを使うプレイヤーが多い。

もちろん私はマーチャントを出すような善人ではなかったので、精算するときは暇でしょうがなかった。この暇な時間で疲れが溜まった体をほぐして伸びをしていると、「ああなんでこんな長い時間狩りしたんだろうな今日はカードも全然ドロップしなかったし糞だな~」と考えてしまい、「クソゲー」と口に出すことが習慣になっていた。

 

他にも溜まり場でINS キーを押して休憩するときなんかもそうだ。ゲームから現実に引き戻される感覚は本当にクソで気持ちが悪くなった。

TW旗取り待機室

TW旗取り待機室

 

この口癖は次第に現実で疲れたときにも、言うようになっていた。

「親の機嫌を取って何の意味があるんだろう」「相手が不快にならないように精一杯機嫌を取ったけど後で意味があるんだろうか」「学生だから許される生活もいつか終わってしまうんだろうな」「寝て起きて出かけて帰ってきて寝るを繰り返したら死ぬんだな~」

 

上記のようなことを想像するたびにクソゲ~~~~と言っていた。

実際にはゲームではないのだが、ゲーム感覚で人生を謳歌していたこともありゲーム感覚で物事を評価していた。

 

 

最近、一般人のふりを過ごして社会に出ているため、「クソゲー」と言うことは減ってきた。ゲームと現実の割合が3:7くらいに戻ってきたからだ。社会に出ると決まった時間に起きて、夜寝ることがこれほど辛いのかと毎日思っている。この感覚がクソゴミヒッキーだった私をゲームから現実に一気に引き戻してしまった。

ゲームが現実に置き換わった際、口癖だった「クソゲー」は「死にて~」に置き換わった。別に本当に死にたいというわけではないが「死にて~」が同様の使い方ができる言葉がこれしかなかったのだ。

 

しかし、死にて~だと万が一他者の前で口に出したときに過度な心配をされかねない。ここで過度に心配されて鬱病扱いされてしまうと困ってしまう。別の言葉を使わないといずれ誤解が起きると思ったので習慣を改めるためにこのような文章を書いている。トゲがなく親しみやすい言葉で口にだすことを習慣づけたい。

 

会社の同僚と昼休みに、正月に少しゲームをしたけどすぐ飽きてしまったという話をしていた。理由を聞くと「何でこんなことやってるんだろう」「何も残らないからやめよう」といった理由で辞めたらしい。これには私も同意見で、ゲームを何も考えずにやってるオタクくんは今すぐ時間を有意義に使ったほうがいいと思っている。もちろん、脳を殺してゲームをプレイせずにしっかりとコンテンツを考えたり、人と発展性のあるコミュニケーションを楽しめているなら引き続きゲームをしてほしいとも思う。

私はその同僚に「僕は7年位してやっと気づけたのに、5日間で気づくなんて天才じゃん」と自虐的に返した。私は自虐的過ぎて辛い気持ちになり、「テンサゲ~~~」と心で呟いていた。