人間観察日記 第2回 「泣くナメクジ」

 別に毎日更新すると言っていたわけではないので、三日坊主ではない。
とても忙しかったのだ。珍しく人間社会でストレスというストレスを感じ、人に甘えていた。
人間力(私の造語。独りでいることの強さを表す。)が下がった一週間だったが、その原因からも開放され気持ちが良いので文章を書く気にもなった。

ストレスの原因は、簡単に言えばメンタルヘルス女とのコミュニケーションだ。
普段の私なら、消えてくれとブロックするか、先にブロックされるかのどちらかなのだが、
今回はそうもいかず、しっかりと対応していた。
どのように大変だったか説明すると、全てが大変だったので省略するが、
簡潔に言うとすぐ泣いてしまうのだ。

こう書くと、
普段通り、極悪人、優しくないの優、後性悪
といった反応が返ってくると思うが、今回ばかりは悪くない。

1つエピソードを取り上げると、
「当人1人の我儘を聞くとあなた含めて5人に迷惑をかけるのでやめてください」と言ったら泣く。
いやいや、幼稚園児か?
シチュエーションが分からないと思うので、そちらも例で補足するが、
みんなで分担しカレーライスを作っていたら、
そいつは「辛いものなら麻婆豆腐がいい」と騒いで意見が通らないと泣くくらいの場面だ。

最初は自分が悪いのかと思って、いつものが出てしまったなと思っていたが、
周りの話を聞いてみると、どうもそうではないらしい。

しかし、形式上謝って置かなければ私の立場もないし申し訳が立たないので謝ることにしたのだ。

「少し強く言い過ぎました。カレーライスを作っているのに、麻婆豆腐の話をされて進行上問題があったので、間違っていると言いました。」
「性格上、強く言い過ぎてしまうこともあるので、それで傷つけてしまったのかもしれない。申し訳ないです。」

私がこう謝ったのだ。想像つきますか?
悪くないのに、効率を重視して謝ることがどれだけ腹立たしいものか。
メンタル管理を自分でできない人間のメンタルを、どうして私が管理しなければいけないんだ。
そうは思っていたが、実際私の口悪さもあるので謝った。偉い。偉いぞ。

ここまで相手に譲ったのだ。問題は解決してほしい。
そう願いながら、相手の発言を静かに待っていた私だったが、この後更にストレスを溜めることになる。

メンタルナメクジは喋る。
「私が、悪かったです。メンタルも管理できず迷惑をかけました。」

よくわかってるじゃないですか、そこまで理解しているなら許しましょう。私は寛大です。

続けてメンタルジメジメナメクジは喋る。
「カレーライスより私の麻婆豆腐が美味しいと思うので、それを主張し続けてました。他4人がカレーライスを作ると決めたことに私は納得してないし、それを許そうとも思いません。今後は、カレーライスの中で、私の麻婆豆腐をアピールします。」

!!?!?!?!??!?!??!?!?!!

ナンナンダこいつは?薄々気づいていたけどそういう病気なのでは?
5人でカレーライスのほうが美味いことを5人で決めて作り始めたのに、こいつの辞書には協調性という単語はないのか?
カレーライスに豆腐や豆板醤を入れるつもりで考えてるのか???

この時点で呆れているのに、まだこのクソザコナメクジは続ける。
「謝ってくれて嬉しいし、普段からそういった弱い面だしてくれたほうが嬉しいよ。隠してるカードが何枚もあるんだろうけど、何枚か見せてくれないと不安だよ。」

心底呆れた。
こいつは、わざわざクソザコナメクジのために、”謝るカード”を作って貰ったことにも気づいてないのか。
作って貰ったカードを弱いといって上から評価する権利がお前のどこにあるんだ…。
何故お前みたいな不安定なやつに、カードを沢山切ってご機嫌取りしなければいけないんだ。

そう思ってはいたが、口に出してしまうとナメクジは溶けてしまうので、噛み殺し
「人と話すの苦手だから、こうなっちゃったんだ。ゴメンね。」と言った。

するとナメクジは、何を考えたか
「一緒に頑張りましょう!」というのだ。

私は、お前以外の周囲の人間を抱き込んでナメクジちゃんの問題を解決しようと取り組んだり、相談したり話を勧めているんだぞ。
何故お前と同じ問題を抱えてると素直に勘違いしてるんだ。

呆れて電話を切った。

私と他数人がストレスを貯め込むことによって、今回の問題が解決するならそれはそれでいいだろう。
そう感じて、次の日に備えて体を休めた。

次の日、ナメクジは全く関係ないところで泣いた。

もう面倒になったので呪いをかけた。
ありとあらゆるところに根回しもして、呪いをかけやすい環境も作った。
私怨だけの文章力もない、文字通りの日記になった。
また少しの時間がたった後に、この呪いが効いたかの人間観察日記をつけたいと考えている。